タイヤの規格 諸元、偏平率、ロードインデックス、速度記号について

ブリヂストンの2021年夏タイヤ新商品アレンザLX100
ブリヂストンの夏タイヤ アレンザ LX100 サイズ:225/65R17

タイヤの各部にはそれぞれ名称がつけられています。また、外径や幅の寸法、偏平率、負荷能力(最大質量)、最高速度などが細かく規定されており、その規格に則って製造されています。

ここでは、タイヤの諸元、偏平率、ロードインデックス、速度記号についてご説明します。

タイヤの諸元とは

タイヤの各部分の呼び名や無負荷時の寸法を「タイヤの諸元」といいます。「無負荷」とはタイヤを適用リムに装着して、規定の空気圧を充てんし、荷重をかけない状態です。以下に主要な諸元を示します。

・タイヤ外径
新品タイヤを規定の方法で測定したときの寸法です。

・タイヤの総幅
タイヤ側面の模様または文字などのすべてを含サイドウォール間の直線距離です。

・トレッド幅
タイヤが路面と接する部分の幅で、トレッド模様部分の両端の直線距離です。

断面幅(タイヤ幅)
タイヤの総幅から、タイヤ側面の模様や文字などを除いた幅です。

断面高さ
タイヤ外径からタイヤ内径(リム径)を引いた数値の1/2です。

・適用リム(リム幅・リム径
タイヤの性能を有効に発揮させるのに適したリムのことで、標準リムと許容リムがあります。標準リムとはタイヤに最も適した幅と形状をもつリムを指し、最適幅はタイヤ幅の70~75%とされています。

諸元の中でも黄色ハッチングで示した「断面幅(タイヤ幅)」と「リム径(タイヤ内径)」はタイヤのサイズ表記に使われる数値です。

例として下図タイヤを見てます。このタイヤの断面幅とリム径は、それぞれサイドウォールの赤丸と青丸で示す部分の数値です。断面幅は「225 mm」、リム径は「17 インチ」ということになります。

タイヤのサイドウォールに表記されている断面幅とリム径の位置をそれぞれ赤丸と青丸で示す
ブリヂストンの夏タイヤ アレンザ LX100 サイズ:225/65R17

また、「断面高さ」は後述する偏平率という数値となりタイヤのサイズ表記に関わってきます。

タイヤの偏平率とは

偏平率とは、タイヤの断面形状(プロファイル)の偏平化の度合いを表す数値で、上述した断面幅(タイヤ幅)(W)に対する断面高さ(H)の比率です。単位は%になります。また偏平率が同じタイヤの総称を「シリーズ」といいます。(例:65シリーズ)

数式で表すと以下になります。数値が小さいほどタイヤが「平たい」ということになります。

偏平率 [%]=H / W × 100

偏平率はタイヤのサイズ表記に使われる数値です。例として下図タイヤを見てます。このタイヤの偏平率は、サイドウォールの赤丸で示す部分の数値です。偏平率は「65 %」ということになります。

タイヤのサイドウォールに表記されている偏平率の位置を赤丸で示す
ブリヂストンの夏タイヤ アレンザ LX100  サイズ:225/65R17

つまり、このタイヤでは断面幅Wが225 [mm]なので断面高さHは以下の通り146.25 [mm]ということです。

H = W × 偏平率 [%] / 100 = 225 [mm] × 65 / 100 = 146.25 [mm]

外径は同じでも、タイヤの断面形状をより偏平にする(ロープロファイル化といいます)と、トレッドの設置面積が増えます。

その結果、タイヤはより大きなパワーをエンジンから路面に伝えることが可能になることやブレーキング性能も向上することから、高速走行時の安定性が増します。

また、タイヤのサイドウォールが低くなることから、コーナーリング中の横への振れが小さくなり、横剛性が高くなるというメリットもあります。これによってステアリングの切れが良くなり、高速時における操縦安定性が増します。

しかしながら、ロープロファイル化は乗り心地が硬くなる、走行音が大きめになる等のデメリットがあります。

タイヤのロードインデックスとは

タイヤのサイドウォールにタイヤサイズと共に表示されるものに「ロードインデックス(略記号は「LI」)」があります。ロードインデックスとは、規定の条件のもとでそのタイヤに負荷できる最大質量を示す数値です。

ロードインデックスの負荷能力[kg]は以下の表の通りです。

ロードインデックス―負荷能力対応表

例として下図タイヤを見てます。このタイヤのロードインデックスは、サイドウォールの赤丸で示す部分の数値です。ロードインデックスは「102」ということになります。

ブリヂストンの夏タイヤ アレンザ LX100  サイズ:225/65R17

これより、「アレンザ LX100 サイズ:225/65R17」のタイヤに負荷できる最大質量は負荷能力対応表から読み取ると「850 kg」ということになります。

なお、ロードインデックスはタイヤ1輪に負荷できる最大質量です。4輪車であれば車全体の質量として4倍まで負荷できるということになります。

タイヤの速度記号とは

タイヤのサイドウォールにタイヤサイズと共に表示されるものに「速度記号」があります。速度記号とは、タイヤがそのロードインデックスにより示された質量を負荷された状態において、走行可能な最高速度を記号によって表したものです。速度記号のことを「速度シンボル」と呼ぶ場合もあります。

速度記号のアルファベットは、下表の内容を意味します。

速度記号―最高速度対応表

例として下図タイヤを見てます。このタイヤの速度記号は、サイドウォールの赤丸で示す部分の記号です。速度記号は「H」ということになります。

ブリヂストンの夏タイヤ アレンザ LX100  サイズ:225/65R17

これより、「アレンザ LX100 サイズ:225/65R17」のタイヤでロードインデックスにより示された質量を負荷された状態において走行可能な最高速度は、対応表から読み取ると「210 km/h」ということになります。

なお、速度記号は同一サイズでもパタンにって異なることがあるので注意しましょう。

スポンサーリンク

シェアする